税務調査の基礎知識!税務調査の基本的な流れと対処法について

税務調査の基礎知識!税務調査の基本的な流れと対処法について

はじめての税務調査では、

  • 一体どんなことを聞かれるのか
  • どんなことをチェックされるのか
  • どんなふうに対応すればいいのか

わからないことばかりで気になるところでしょう。

税務調査に関する基礎知識として、税務調査の基本的な流れと対処法について考えてみましょう。

税務調査の基礎知識

一般的にはあまり知られていませんが、税務調査には2つの種類があります。

  1. 税務署による任意調査
  2. 国税局査察部による強制調査

税務調査と聞いてイメージしてしまうのは、ガサ入れされたり、脱税がバレて逮捕・起訴される国税局査察部(通称マルサ)による強制調査の方でしょう…

しかし、税務調査の99.9%は税務署による任意調査であり、ガサ入れ・逮捕・起訴されるようなことはありません!

映画・ドラマ・ニュースなどで取り上げられているのは、ほんの一部に過ぎないのです。

税務調査について誤った知識を持ったままだと、税務署を敵対視したり、過度に怖れることになってしまいます。

税務署による任意調査の目的は、納税者が法律に沿った正しい申告ができているのかをチェックするためのものです。

  • 脱税などの不正を発見すること
  • 税金をたくさん徴収すること
  • 納税者を牽制すること

これらも税務調査の立派な目的ですが、そればかりではないということを知っておきましょう。

 

税務調査の流れ

税務署による任意調査では、税務署の調査官がいきなり押しかけてくるようなことは滅多にありません…

基本的には事前に連絡がありますし、税務調査には流れというものがありますので一つずつ確認していきましょう。

  1. 税務署からの事前通知
  2. 調査実施日の日程調整
  3. 税理士と打ち合わせ・税務調査対策
  4. 実地調査
  5. 税務署によるチェック
  6. 修正事項・指導事項の交渉・確認
  7. 修正申告書の作成
  8. 追徴税額の納付
  9. 罰金の納付

税務署からの事前通知

税務署による任意調査では、事前の連絡なしに税務署の調査官がいきなりやって来るようなことはありません。

納税者又は税理士に対して税務調査の事前通知があります!

そして、

  • 調査実施予定日
  • 調査する年度・税目
  • 準備しておくべき書類

などについての通知がされます。

飲食店などの現金商売の場合において、事前通知することにより証拠が隠滅される可能性があるときは、事前通知することなく税務調査が実施されることもあります。

調査実施日の日程調整

税務署からの事前通知において、調査実施予定日についての通知がなされますが、必ずしもこの日程に従わなくてはならないわけではありません。

調査実施日については、ある程度柔軟に日程の調整に応じてくれます。

まずは、本業の予定を優先していただいて何の問題もありません!

1ヶ月以上ズレることもありますし、過去にはどうしても予定が合わずに翌年になったこともありました…

税務署の言うことには絶対に従わなければならないという先入観は持たないようにしましょう。

税理士と打ち合わせ・税務調査対策

税務調査では、帳簿・請求書・領収書などの書類を事細かにチェックされます。

100%提示を求められますので、調査の当日に慌てることのないように事前にしっかりと準備しておきましょう。

また、税務調査で聞かれるポイント、見られるポイントというのはある程度決まっています…

そして、どのような指摘を受けるかについても想定することができます。

税理士と打ち合わせをして、税務調査対策をきっちりとしておきましょう!

そうすることにより、精神的な余裕を持って税務調査に臨むことができるでしょう。

実地調査

税務調査は事前の準備で全てが決まります!

しっかりと準備・対策することができれば、当日はリラックスして臨みましょう。

時間は10:00〜16:00ぐらいで、1時間のお昼休憩が入ります。

税務署の調査官は、外へ出てお昼ご飯を済ませるので納税者が準備する必要はありません。

日数については、事業の規模などによりますので一概に言えませんが、一般的には1日か2日で終わることがほとんどでしょう。

また、税務調査で調査官から質問されたことについて、すぐにその場で答えを出さなくても大丈夫です。

記憶が曖昧なもの、自信のないものについては、調べてから回答しますと言っておけばいいです。

返答を間違えたり、言葉尻を捕えられて余計な誤解を招くようなことがないようにしましょう。

さらに、税理士に税務調査の立会いを依頼しているなら、納税者自身がずっと調査に立会っておく必要はありません。

事業の概要などを一通り説明したら、席を外して仕事に戻っていただいて構いません。

餅は餅屋、メンドくさい交渉などは税理士に任せてしまいましょう!

税務署によるチェック・税理士とのやり取り

税務調査が実地調査だけで終わることはほとんどありません…

税務署に資料を持ち帰ってから、申告内容に誤りがないかどうかを細かくチェックしていきます。

その時に資料が不足していれば、税理士に連絡が入るようになっています。

このやり取りが数回続いて、実際の修正事項・指導事項の交渉・確認に入っていきます。

おおよそこの期間が1ヶ月ほどですが、納税者は税理士から支持された書類を探したり、作成したりするだけです。

わざわざ税務署に足を運んだりすることもありませんので、税務署が申告内容をチェックし終わるのを待つしかありません…

そして、申告内容に誤りがなければ申告是認、つまり、お咎めなしということになります!

実は、ミスなくきちんと申告していれば申告是認になるケースは結構多いです。

もし申告是認ということになれば、この時点で税務調査は終結ということになります。

修正事項・指導事項の交渉・確認

税務調査の結果、指摘すべき事項があれば税務署から税理士に連絡が入ります。

そこで、その指摘事項が正しい主張なのかどうかを検討していきます。

もし、税務署の主張が正しいものであるならば修正申告書を作成して、追徴税額・罰金を支払うことになります。

ただし、税務署の主張が間違っている、納得できないという場合には税務署との折衝を繰り返すことになります…

どちらも主張を曲げずに行くところまで行けば、裁判で決着をつけることになりますが、そこまで行くケースはほとんどありません…

納税者と税務署の双方が納得できるところで折り合いをつけていきます!

このあたりは税理士が中に入って落とし所を交渉していくわけです。

そして、双方の合意が得られたところで修正申告書を作成します。

修正申告書の作成

修正申告書の作成は、税理士がいる場合は税理士が作成してくれますし、税理士がいなくても税務署が作成してくれます。

納税者自身で修正申告書を作成するということはありません…

ただし、税務署が作成した申告書が正しいかどうかは必ずチェックするようにしてください!

過去に何度か経験がありますが、ごく稀に税額が間違っていることがあります。

できれば税理士に作成してもらうか、チェックしてもらうようにしましょう。

追徴税額の納付

税務調査で修正すべき項目が見つかった場合には、修正申告書を提出して追徴税額を納付しなければなりません。

ここで、法人と個人事業者で納めるべき税金の手続きが異なってきますので注意が必要です!

法人の場合は、

  • 法人税の修正申告書を税務署へ
  • 法人住民税・法人事業税などの修正申告書を地方自治体へ

それぞれ提出することになり、当時に追徴税額を納付することになります。

しかし、個人事業者の場合は、

  • 所得税の修正申告書を税務署へ

提出して、追徴税額を納付するだけになります。

なぜなら、個人住民税・個人事業税については税務署へ提出された修正申告書の内容を加味した追徴税額を、各地方自治体が計算することになるからです。

つまり、所得税の修正申告書を提出した後に、自動的に納税者のところに納付書が送られてくることになります。

忘れた頃に納付書が送られてきますのでビックリしないようにしましょう!

また、法人でも個人事業者でも、税務調査により修正申告書を提出する場合は、複数年分の申告書を提出することになります…

その分だけ追徴税額の支払いが高額になってしまいます。

そして、追徴税額の支払いは原則として一括払いになりますので、納税資金の確保には十分に注意するようにしましょう。

どうしても納税資金が確保できない場合は、分割払いの相談にも応じてくれますので協議してみましょう。

罰金の納付

税務調査により追徴税額を支払うのは仕方のないことです。

しかし、税務調査において納税者に最もダメージを与えるのが罰金の支払いです。

本来納めなければならない税金を納めていなかったわけですから、それ相応のペナルティを課されてしまいます…

具体的には、

  • 過少申告加算税
  • 無申告加算税
  • 重加算税
  • 延滞税

などの罰金があり、法人税・所得税・住民税・事業税などの税金の種類ごとにあります。

修正申告をした年数が3年とすれば、罰金だけで合計10種類、100万円以上なんてこともよくあります。

これら罰金については、不正やミスをすることなく正しく申告していれば本来支払う必要のなかったものばかりです…

罰金の支払いは究極の無駄遣い!

せっかく苦労して獲得した利益をこのような形で流出させてしまうのは勿体ないことです。

また、追徴税額と同じく罰金についても原則として一括払いになりますので注意しておきましょう。

 

税務調査の対処法

はじめて税務調査を経験される方はどうしても緊張してしまって、どのように対処すればいいかわからないことが多いようです。

税務調査をうまく乗り切るための対処法をいくつか紹介しておきます。

税務署とは敵対しない

税務調査では、税務署と敵対してもあまり意味はありません…

むしろ、調査官の印象を悪くして余計な疑いを招くことになり、かえって税務調査を長期化させることになってしまいます。

何でもかんでも税務署の言いなりになる必要はありませんが、税務調査には協力する姿勢を示すことが大切です!

税務調査では、納税者の金銭的・時間的・精神的負担が大きくなります。

これらの負担を少しでも和らげるためにも、できるだけ早く調査を終結させるべきです。

税金を取られたくない!という気持ちは理解できますが、税務署と敵対するメリットはありませんのでやめておきましょう。

質問されたこと、聞かれたこと以上は答えない

税務調査に協力する姿勢を示すことは大切なことですが、調査官から質問されたこと、聞かれたこと以上に答える必要もありません。

税務調査では、白か黒かハッキリしているところは問題にはなりません…

税法の解釈の仕方次第では白にも黒にもなるようなグレーゾーンをどのように取り扱うのかが重要な論点となります。

したがって、不用意な軽い一言が後々の大きなトラブルになることもあるのです!

そして、税務署の調査官は百戦錬磨なので、納税者のその一言を引き出すのがとてもうまいです。

嘘をついたり、事実を隠したりしてはいけません。

しかし、うっかりした一言で状況が不利になってしまわないように十分に注意しておきましょう。

そのためにも、調査官から質問されたこと、聞かれたこと以上に答えるのはやめておきましょう!

それと同時に、記憶が曖昧なもの、質問の意味が理解できないものについても無理に答える必要はありません…

困ったときは、

  • 調べてから回答します
  • 理解できるように教えてください
  • 税理士に聞いてください

と言っておけば大丈夫です。

よくわからないまま、なんとなく答えてしまうことがないようにしておきましょう。

とにかくリラックスする

はじめての税務調査で緊張してしまうのは仕方ありません。

しかし、やましいことがないのであれば、税務署を怖れたりする必要はありませんので堂々としておきましょう。

また、あまり感情的になり過ぎると余計なトラブルを発生させることになりますので、とにかくリラックスして臨むことを心がけましょう!

税務署との細かい交渉などは税理士が全部やってくれます。

税務署の調査官と言えども、仕事相手の一人として誠意を持って対応するべきです…

最近は、税金をたくさん取ってやろう!という調査官も減ってきています。

あまり身構えずに自然体で振る舞うことができれば良いでしょう。

 

まとめ

はじめての税務調査は知らないことばかりで、緊張したり、対処法がわからないこともあるでしょう。

しかし、税務調査の流れ・対処法を知ることにより、リラックスして本番を迎えることができるようになります。

やましいことがなければ、税務調査は決して怖いものではありません。

事業活動をしている限り税務調査は避けることはできませんので、税務調査を知り、税務署とうまく付き合っていくようにしましょう!

 

サービスのご案内
新井勲税理士事務所では単発の個別相談税務調査の相談・立会いサービスも承っております。